2006年3月30日木曜日

ネットワークの切替工事

明日(3月31日)に、教育学部4号館のネットワークの切替工事が行われるようそうです。したがって、一時的にブログサーバとMLサーバに接続できなくなる可能性があります。利用される方はご注意ください。

発達障がい児の支援ソフト:Mac

高機能自閉症児、アスペルガー症候群、AD/HD児、LD児は、視覚刺激に過敏な子が多いですから、本を読む時に読む行以外を紙で隠したりします。これは、パソコンを使う時にも同じことが言えて、モニタ上で必要な所以外は見えにくくしてあげた方が扱いやすくなります。


Windowsのソフトであれば、Claro社のScreenRulerというソフトがあるのですが、Mac OS X対応で似たような機能を持ったソフトを見つけました。しかもフリーソフト!


ソフトの名前は、「Mousepose」(マウスポゼ)。


フリーソフトですが、メールアドレスの登録は必要です。以下のアドレスからダウンロードできます。


Boinx Softwareのホームページ




マウスポゼのスクリーンショット

写真:マウスポゼのスクリーンショット


うまく使うと、ロービジョン(視野狭窄と白濁)の疑似体験としても使えるかもしれません。今度試してみようと思っています。




<ダウンロードの仕方>



  1. 「How to get Mousepose」と書かれた部分の「download page」というリンクをクリックすると、複数のソフトが並んだダウンロードページにジャンプします。そのソフト群の中から、「Boinx_Mousepose_1.3.dmg」というアイコン(もしくはリンク)をクリックすると、ダウンロードが始まります。

  2. それとあわせて、ライセンス登録として、名前とe-mailアドレスを登録し、登録したアドレスにライセンスが送信されます。そのライセンスは、「Mousepose」起動時に「Existing License」というボタンを押すと出てくるフォームに記入し、登録をします。(この方法は説明すると長くなるので、わからなければ聞いてください)。

2006年3月25日土曜日

サーバが停止していました

今日、朝から17時45分まで、教育学部3号館の変電設備改修のための工事が行われており、その影響で教育学部周辺全体が停電になっていました。うちの研究室も停電になっていたので、すべてのサーバが停止していました。


MLやブログにアクセスしたのにつながらなかった方には、ご迷惑をおかけしました。


やはりサーバである以上、今後は停電対策も考えていこうと思います。

2006年3月23日木曜日

ライブ情報

カーリーが参加しているバンド(band on the walk)のライブが今週の日曜日に迫ってきました 8-)


このバンドの現メンバーは、友に会メンバーと盲学校教員で、友に会(盲ろう児・者支援)の啓発が目的で結成されたバンドと聞いています。



  • 場所:松山市総合福祉センター1階大会議室

  • 時間:15〜18時

  • 我々のバンドはトリなので、17時20分前後からかな?


時間のある人は、ぜひ聴きにきてくださいm(__)m

友に会の総会&お花見会

4月2日に、NPO友に会(えひめ盲ろう者友の会)の総会とお花見会が開催されるそうです。


興味のある方は、是非参加してみてください。このブログを見て興味を持った方は、カーリーまでご連絡ください。


総会



  • 期日:平成18年4月2日(日)

  • 時間:午前10:30〜12:30

  • 場所:愛媛県視聴覚福祉センター4階和室


お花見



  • 期日:平成18年4月2日(日)

  • 時間:午後12:30 出発(総会にかかる時間により多少前後します。)

  • 集合場所:愛媛県視聴覚福祉センター1階ロビー

  • 花見の場所:道後公園

  • 持物:各自で食物や飲物、敷物を用意

  • 雨天の場合は総会の会場にて引き続き交流会を行うそうです。

学校教育法の改正

3月17日に、第164回国会提出の「学校教育法等の一部を改正する法律案」の説明会に行ってきました。


多くの現場関係者は、これまでにも中教審の答申等で知っていると思いますが、今回の改正は、平成19年4月1日より、現在の盲・聾・養護学校を障がい種別を越えた特別支援学校に一本化するためのものです。一応、現時点では法案ですが、政府としては今回の説明会で説明された方向性で審議にかけるそうです。


この改正の背景としては、児童生徒の障がいが重複化・多様化していることがあります。このため、複数の障がいに対応できる弾力的な学校制度に転換するとともに、特別支援学校に地域の特別支援教育のセンター的機能を持たせることを目的としています。


この改正に伴い、盲・聾・養護学校、特殊学級の名称が変更になる他、盲・聾・養護学校ごとの教員免許状が特別支援学校の教員免許状に変更になり、大学で修得すべき単位数が変更になります。また、LD、ADHDも対象とした通級指導が制度化される予定ですし、平成18年4月1日から学校教育法施行規則の一部を改正する省令で障がい分類が変更になる予定です(例:自閉症が情緒障害から独立し、単独の障がい分類になります)。


法案の詳細については、文科省のホームページを参照してください。


学校制度の弾力化は望ましいことですが、これまで以上に多様な障がいを対象にし、かつ重複障がいについては独自の困難さがあることを認識して対応しなければならないので、対応する教員には非常に高い専門性が求められることになると思います。我々大学教員に求められる責務も当然増えてきますから、自分自身のスキルアップも含めて真摯に対応していかなければならないと身の引き締まる思いでした。

発達心理学会

先週は2回も東京に出張したので、ずいぶん久しぶりのアップになりました:-!


3月20日から22日まで、発達心理学会に出席してきました。今回は、恩師である九州大学の丸野俊一先生が大会長をされており、久しぶりに福岡の地を訪れることになりました。


発表としてはポスター発表の他に、大学院時代の恩師の南博文先生が企画・司会されたシンポジウムに質問者、丸野研究室の先輩である藤田豊先生が企画・司会されたシンポジウムに話題提供者として登壇させてもらいました。前者のシンポジウムはアフォーダンスの概念に関するもので、後者は発達の足場作り(scaffolding)に関するものでしたが、どちらのシンポジウムでも障がい支援の観点から発言させてもらいました。


発達心理学会は議論好きの方が多いので、互いに疑問に思ったことは率直に表明する風土があります。なので、必然的にディスカッションの時間(懇親会を含め)は非常に白熱しました。その中でも、収穫だったと思うのは、常に保健医療福祉分野や工学分野の専門職と密接に協働している立場と、そうでない立場(主に心理学他の文系で研究・活動している立場)とでは、発達観はもちろん、実践や研究に対するアプローチが大きく異なることに改めて気がついたことです。


詳細はまた別の機会にするとして、こうした差異をいかにして埋め、立場の違う人達とコラボレートしていくかを、次回以降の学会でワークショップを企画しディスカッションできたらおもしろいかなと考えつつ、久々の福岡・北九州の夜景を楽しみながら愛車で帰路につきました。

2006年3月21日火曜日

パラリンピックが始まりました

パラリンピックが開催されました。


大会二日目にして、小林深雪さんが女子視覚障害バイアスロンで金メダル、太田渉子さんが女子立位バイアスロンで銅メダルを獲得されました。


本当におめでとうございます!!!


その他の競技でも、日本勢が健闘しているみたいですから、今回のトリノパラリンピックも注目ですね.

2006年3月12日日曜日

報告書が一段落

昨日まで、東京大学の中邑賢龍研究室との共同研究で、福祉機器のニーズ調査に関する報告書を書いていました。


これは、様々な障がいのある子ども・人が持つ、既存の福祉機器・支援機器に対するニーズを抽出し、今後、福祉機器・支援機器を開発する際に参照するデータベースとして構築しようとする試みです。


今回、私が関係する報告書では、愛媛県立松山盲学校の諸先生方にご協力いただき、視覚障がい教育の現場に潜在するニーズについてインタビューを行いました。


ご協力いただいた、松山盲学校の諸先生に厚く御礼申し上げます。


今回の調査については、近く報告書として発行されると主に、Webデータベースとして参照できるようになる予定です。また、詳細がわかりましたら、このブログでもご報告します。

2006年3月8日水曜日

ドラマ:指先でつむぐ愛

光成沢美さんの著書「指先でつむぐ愛」がドラマ化され、今週の金曜日夜9時から、テレビ愛媛の「金曜エンタテイメント」で放映されます。


光成沢美さんは、東京大学先端科学技術研究センターの福島智助教授の奥様です。


まだ番組ホームページで写真を見ただけなんですが、ナイスキャスティング!!!って感じです。光成沢美役の田中美佐子さんも、福島智役の中村梅雀さんも雰囲気そっくり(笑) 少女マンガ化された時は、福島さんがかなり美形になっちゃってましたが、今回は現在の福島さんにかなり近づいてますね。


ちなみに、実際に福島さんの指点字通訳をされている池田祥代さん(先端研での同僚)も、このドラマで「女優デビュー」しているので、見物です:-D

2006年3月7日火曜日

情報教育システムとしてのMac

コンピュータ市場全体でいうと、Windowsのシェアが圧倒的なのですが、デザイン・医療・高等教育分野では、Macのシェアが高くなります。これらの分野でMacのシェアが高いのは、やはり画像・動画・3D等のグラフィック系ソフトが充実していること、Mac用ソフトだけでなくUNIX用ソフトも利用できること、運用管理が容易であることが理由のようです。


例えば、カーリーが2004年度に勤務していた東大では、情報端末としてiMacを使っています(アップルのサイトで紹介されている東大の事例)。本郷キャンパスに行くと、共通利用施設には学生が利用できるiMacがズラーーーッと並んでいて、Macユーザにとってはかなり壮観な光景です。

マイクロソフト社製品のアクセシビリティ

カーリーが使用するパソコンの多くは、これまでのブログからもわかるように「シビれる」Macです。


実をいうと、カーリーが学生時代に初めて買ったパソコンは、IBM社のPS/V VisionというWindowsマシンだったのですが、大学院入学と同時にMacに移行しました。Macを使い始めたきっかけは、大学院時代の指導教官がMac使いだったことや、当時の障がい支援ソフト(Ke:nx等)の多くがMacでしか動かなかったこと、プレゼンソフトや動画処理ソフト、教育分野の学習支援ソフトが豊富だったことです。


今でもセキュリティに関しては、WindowsよりもUNIXをベースにしたMac OSの方を信頼していますし、画像・動画処理等のグラフィカルな作業に関してはMacの方が操作しやすいと信じています。そしてなにより、ハード・ソフトともにデザインがよい!


ただ、最近はWindowsのみに対応した障がい支援ソフトが増えてきていますし、障がい当事者でも、圧倒的にWindowsユーザが多くなっています。また、コンピュータのアクセシビリティに関しては、近年マイクロソフト社が力を入れています。マイクロソフト社のアクセシビリティに関するホームページには、各障がいに対応したOSやソフトの設定方法、支援機器、事例が紹介されています。また、特定非営利活動法人e-AT利用促進協会と、障害者へIT利用支援のできる人材育成のためのIT研修(障害者のIT利用支援のためのUPプログラム)を全国で共同開催する等、人材育成の活動も活発に行っています。


広島大学はマイクロソフト社と協力関係を築き、昨年「アクセシビリティ・サマーキャンプ」を開催しましたし、報道発表によると、今年4月からアクセシビリティリーダー育成カリキュラムを開催するそうです。


愛媛大学も障がい児・者の就学には力を入れているわけですから、できればマイクロソフト社等の学外組織と協力関係を作り、学内のバリアフリー、ITサポートのレベルアップを図りたいなぁと一人思う今日この頃でした。

2006年3月6日月曜日

Cozy Project機器来たる

今日、五大エンボディ(株)のCozy Project機器が、観察室に搬入されました。


搬入された機器は、大型万華鏡(セル・スコープ)2台、しゃぼん玉発生器(ふわりキラリ)1台、メイルストローム1台、バブルチューブを改良したような機器(正式名称をまだ聞いていない)1台の計5点です。


これらの製品に、どれほどリラクゼーション、Calm down効果があるか、またどのような刺激・情報にすればより効果的かを評価することになっています。


見てみたい・体験してみたい人は、 カーリーにメールしてください。学外の方でも結構です(特に、興味を持たれた障がい当事者の方、ご家族は歓迎します)。

2006年3月5日日曜日

おもしろい本を作っています

今年12月〜来年1月出版予定の本の編著者会議に出席するため、一泊二日で大阪に出張していました。


まだ本の詳しい内容はご紹介できないのですが、医学や心理学の基礎的知識もふまえつつ、軽度発達障がいのある子どもや家族を支援するために、実践に即応用できる指導法やアドバイスについても紹介する本になる予定です。言語聴覚士、保健師がメインターゲットですが、特別支援教育担当の教師にとってもわかりやすく有益だと思います(詳しくは、また後日紹介します)。


しかし、編著者会議は計6名の編著者が集まったのですが、すべての人が障がい児の療育・教育・保健医療福祉をよりよくしようという情熱を持っているので、非常にクリエイティブなディスカッションができました。私自身、参加したことで非常に勉強になりました。こういう建設的なコラボレーション、ディスカッションっていいですよね :-D




ちなみに、前日の食事会もかなり白熱しておもしろかったです。お酒が入っているから、みんな本音モードで話しますからねぇ。私とある人は飲みつつ語り合っているうちに時間を忘れ、2時過ぎに「閉店だから出てってくれ」と店を追い出されてしまいました(笑)

2006年3月3日金曜日

論文の書き方1

年度末が近づくにつれ、修論、各種学会・研究会の投稿論文の査読を依頼される機会が増えてきます。


自分の論文も書かなければならないのですが・・・ :-! 、そこはそれ、他人の論文を読むことで、自分が論文を書く時に陥りやすいミスに気づくことができます。まさに、「人のふり見て我がふり直せ」です(笑)


さて、一言で「論文」とか「研究」といっても様々なタイプがあります。大きく二つに大別するとしても、「仮説生成型」と「仮説検証型」があります。当然、それぞれのタイプによって評価するポイントは異なるのですが、どちらのタイプであろうと、論文を評価する上で査読者が必ずチェックするポイントもあります。以下の3点がそれです。



  • 研究の目的(先行研究や現状の問題含む)が具体的に書かれているか?

  • 目的を達成する上で、適切な方法を用いているか(用いる方法に、目的を達成するための必然性があるか)?

  • 得られた結果で目的は達成できたか?


この3点がクリアになっていなければ、論文としての完成度は低く評価されます(時には論文が不採択になることもあります)。ただ、案外、この3点がクリアに記述できていない論文が多いんですねー。反対に、この3点がクリアになっていれば、論文としての完成度が高いと評価されます。


まぁ、自分の研究だと意識しなくてもわかっていることが多いのですが、論文は他人が読んでわかりやすい文章にしなければいけません。そのために、自分では「ここまで細かく書かなくてもいいんじゃないかなぁ」と思うことでも、一応書いてみることが必要です。また、自分以外の人(同級生、先輩、後輩、できれば準専門家)に読んでもらうというのも良いことだと思います。いずれにしても、「他人に優しい」文章づくりを心がけることが重要です。文章のバリアフリーといえるかもしれませんね ;-)


卒論や修論(もちろん、学会発表や投稿論文も含めて)、自分で論文を書く時には参考にしてみてください。