2008年3月26日水曜日

リソース・ページを開設しました

 カーリーラボで個別の相談・指導で用いている,知育玩具や関連商品を紹介するリソース・ページを開設しました。


 地方都市だと具体的な商品をご紹介しても,「どこで購入すればいいんですか?」と質問されることが結構あります。小さなオモチャ屋さん,本屋さんでは取り扱っていない場合もあるからです。


 そこで,Amazonのアソシエイト機能を使って,リスト化してみました。教材や書籍の具体的な紹介は,サブカテゴリーの説明を参照してください。


 注)なお,紹介ページは学外(Amazon)のページです。

2008年3月24日月曜日

教科書(授業のテキスト)は高いのか?

 先のブログで教科書について触れましたが,もう1つコラムとして書いておきます。


 同じく,学生・大学院生の意見を聞いた学部のヒアリング結果を見ると,「教科書が高い」「2000円を超えると高いと感じる」という意見がありました。


 しかし,教科書(授業のテキスト)とは本当に高いのでしょうか?


 大学の授業で教科書に指定される書籍は,専門分野によって値段は様々です。ただ,専門領域の授業になれば,だいたい2000〜5000円の価格帯です。2000円未満で購入できる書籍というのは,多くの場合,一般書です。一般書であれば,わざわざ授業で取り扱わなくても,非常にわかりやすく書かれているので,読めばわかります。一方,大学の授業(特に専門の授業)は,より専門性の高い情報を提供し,人材育成をすることが使命となります。そうなると,ほとんどの専門書は,2000円以上の専門書になります。


 月に50〜100冊(10〜15万円)程度,本を購入する多読家として知られる,経済評論家の勝間和代氏の著書「効率が10倍アップする新・知的生産術」には,本の価格帯として以下の4つが挙げられています。



  1. 新書・文庫の価格帯:500〜700円

  2. ソフトカバーの価格帯:1200〜1600円

  3. ハードカバーの価格帯:2000〜3000円

  4. 専門書の価格帯:5000円以上


 専門分野によって,若干の差異はあるかもしれませんが,教育系の書籍もほぼ同程度の価格帯です。


 勝間氏は,「ハードカバー」もしくは「専門書」の場合,数冊に1冊はおもしろい知見に出会うが,「ソフトカバー」の価格帯だと6〜7冊に1冊,「新書・文庫」の価格帯だと10冊に1冊程度と頻度が低くなると述べています。書籍の値段は,書かれている情報に比例している場合が多いといって良いでしょう。


 くわえて,教科書は,卒業後も当該専門領域で仕事をする場合,何度も参照する「辞書・辞典」として使用できます。また,ある意味,羅針盤の役割を果たしてくれるものです。そう考えると,決して高い買い物ではないわけですし,「元をとる」つもりで徹底的に活用してみてはいかがでしょうか。

教科書(講義のテキスト)の使い方

 今年度も,後期日程の合格発表が終わり,卒業式・終了式を残すのみとなりました。新年度が近づき,授業の準備を始めようとしている今,大学の講義で使う教科書について最近思うところがあり,久しぶりにコラムを書きます。


 さて,皆さんは,本や雑誌(マンガ含む)を,月にいくらくらい買いますか?


 2008年3月23日の日本経済新聞のコラム(当世ふところ事情)に,全国618人の成人男女に質問した結果が報告されていました。その結果を見ると,「1000円未満」42%,「1000円以上3000円未満」28%,「買わない」19%,「3000円以上5000円未満」6%,「5000円以上1万円未満」4%,「1万円以上」1%だそうです。


 これを見ると,月に3000円未満しか使わないという人が,全体の約9割を占めていて,日経新聞も「活字離れの状況がうかがえる,節約のために図書館等を利用して自分で買わない人が多い」と考察しています。


 ちなみに,私(カーリー)は,専門書(学術雑誌)・新書・雑誌・マンガなどをあわせると約5万円くらい買っている計算になります :-) 日経新聞の調査でいうと少数派になりますが,この金額が高いとは思いません。むしろ,大学教員でいうと平均的な金額だと思いますし,後で授業などのアウトプットに活用できることを考えると,費用対効果は高いと思います。


 ただし,私が購入する本は専門書が多いこともありますが,購入した本を最初から最後まで読むことはほとんどありません。1冊の本の中で,知りたい情報は1〜2割程度ですから,必要な情報を得るための「辞書」として使っています。「それならば図書館で探せばよいのでは?」という意見もあるかもしれませんが,図書館の本では線を引いたり折り目をつけたりできませんし,自分も本に原稿を書いている人間として,著者に敬意を示すという意味でも購入しています。


 学部で学生にアンケートを行った結果をみると,「教科書に指定されていたのに使われなかった」という意見が出てきます。しかし,学生には使わなかったように見えても,多くの教員は授業の中で教科書を使っています(あくまで多くの場合ですが)。大学の授業では,講義資料としてプリントが配布されますが,そのプリントの内容は,(著作権を侵害しない範囲で)教科書指定されたテキストや多くの参考文献をもとに作成されています。ただし,大学では,高校までの授業とは異なり,教科書を逐一確認していくような授業は多くありません。教科書の中でさらに中心的なトピックを授業で取り扱い,関連情報を参考文献や配付資料等で広げることで,知識の構造化を図る授業が多いかと思います。その場合,「教科書」を「辞書・辞典」,学生が自習するための「リソース」として利用します。


 先の意見が出るというのは,高等教育機関において教科書・参考文献をどのように利用すればよいかという,教科書の利用方法を,学生が知らないことが一因かと思います。もっとも,それを伝えられていない教員の責任もあるかもしれません。新年度を迎えるにあたり,学生への教育的指導の一環として,こうした教科書の利用方法についても伝えていく必要があるかなと感じています。