2010年4月14日水曜日

悲しい現実



年度末でピークを迎えた学内の工事もほとんど終わり,新入生も迎えて,新年度がスタートしました。
毎年行われる工事は「改善」を目標に行われるはずが,残念ながら「改悪」になった所も少なくありません。

その一つが,法文学部の前にあるスペースです。
以前は駐車場でしたが,学内の区画整理に伴い,駐輪場と障がい者等優先の駐車場になった「はず」でした・・・

しかし,現実は,駐輪違反によって障がい者等の優先駐車場が埋め尽くされ,時間帯によっては全く駐車場にアクセス出来ない状態になってしまっています(写真参照)。

当然,駐輪違反をする側にも問題はあります。厳罰化による徹底という案も出るかもしれません。
ただ,駐輪ができる環境を作ってしまった大学側にも問題があります。
「ヒトは決められたルールを守るものだ」という性善説に基づいたアプローチでは,こうした失敗例が出てしまいます。
「ヒトは状況・環境によってはルールを守らないものだ」という前提に基づき,違反しにくい環境や状況を作る必要があるでしょう。
今回の例でいえば,駐輪場と駐車場の間に敷居を設けるか,スペースと機能を一対一対応させるか(駐輪場は駐輪場,駐車場は駐車場に分離する)すれば,防ぐことができたはずです。

こうした物理的環境が人間の行動に影響を及ぼす方略は,環境心理学的なアプローチといえます。
残念ながら,環境心理学的アプローチは日本ではあまり知られていませんが,ルールづくりよりも効果的であることが多々あります。
(防犯面では,最近よく用いられるようになっていますが。)
本学も含めて,日本において,より理解と実践が進むことを願ってやみません。

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