今週末の日曜日(25日),愛媛大学教育学部大講義室で,質的研究のワークショップを行います。本ワークショップは,日本質的心理学会の交流研究助成をうけて行うものです。これまで,四国地方には質的研究に関するネットワークや研究会があまりなかったのですが,今回のワークショップをきっかけに,情報交換等を進めていけたらよいと考えています。
申し込み等は必要ありませんので,興味のある方は,ぜひご参加ください。
以下,ワークショップの情報です。
四国地方における質的研究法に関するネットワーク構築の可能性を探る
質的研究法には,行動観察,ナラティブアプローチ,フィールドワーク,グラウンデッド・セオリー・アプローチ,アクションリサーチ等,様々な手法が含まれるが,本来,研究方法とは研究目的を的確に達成するための手段であり,研究方法が限定された研究は成立しえない。
だが,質的研究法には体系的な教育カリキュラムが確立しておらず,初学者は親和性のある研究法に固執したり,試行錯誤を繰り返す傾向が強い。関東・関西地方の都市部であれば,研究会や講習会等を通して,質的研究に関するネットワークの構築や情報交換がなされ,初学者でも多様な質的研究法の手法を用いる可能性を見いだすことができるかもしれない。
しかし,四国地方のような地方都市においては,質的研究法を習得した個々の大学教員のキャパシティに依存する(属人性が高い)傾向にある。また,初学者にとって,実際に質的研究が進められる過程を見聞きすることも重要であるが,地方都市では卒業論文や修士論文等で質的研究を用いる機会が少なく,研究過程を擬似的に体験することが少ない。
本ワークショップは,地方都市の質的研究者が抱える課題・問題点を鑑み、四国地方で質的研究を行う人的資源、情報資源のネットワークを構築し,そのネットワークを利用した質的研究に関する情報共有の可能性を探ることを狙いとしている。
ワークショップは,四国地方で質的研究を行う研究者に研究成果を発表していただく。話題提供者は、主に障害児教育、保健医療福祉領域の実践現場で活躍されている研究者である。その後、同じく四国地方で質的研究に取り組む2名の研究者から、心理学・看護学分野における質的研究の意義、現状等についてコメントをいただく。その後、フロアからの反応も含めて、四国地方における質的研究に関する情報共有、ネットワーク構築について議論を深めたい。
1.日時:平成19年3月25日(日) 13:00-16:00
2.場所:愛媛大学教育学部 大講義室
3.登壇予定者
<話題提供者>
大豆生田浩子(愛媛大学大学院教育学研究科)
松尾基史(医療法人五月会 須崎くろしお病院)
相模健人(愛媛大学教育学部)
光宗昌哉(愛媛大学教育学研究科学校臨床心理専攻)
<コメンテーター>
山下 光(愛媛大学教育学部)
竹崎久美子(高知女子大学看護学部)
0 件のコメント:
コメントを投稿